Google広告の消費税

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Googleのリスティング広告「アドワーズ」を使っている会社へ、Googleから下記のようなお知らせが届いています。

「本日は、改正消費税法(2015 年)に関連して、お客様の Google AdWords アカウントに影響する変更がございますのでお知らせいたします。お客様は現在、 シンガポール法人であるGoogle Asia Pacific Pte Ltd. から広告掲載サービスを購入されていますが、この取引は事業者向け電気通信利用役務の提供とみなされるため、 Google が AdWords 料金に日本の消費税を付加して請求することはございません。ただし 2015 年 10 月 1 日以降は、改正消費税法(2015 年)に従って、国外事業者により提供された事業者向け電気通信利用役務に対する消費税については、リバースチャージ方式の対象となるため、お客様の責任で申告、納付していただく必要がございます。Google AdWordsサービスも、下記の通り、事業者向け電気通信利用役務となります。

国税庁の通達によれば、インターネットを介して提供される広告掲載サービスは、その役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から事業者向け電気通信利用役務の提供に分類されています。したがって、日本でAdWordsをご利用のお客様はご自身の責任で AdWords サービスに対する消費税を申告、納付していただく必要がございます。消費税の支払義務に関するご不明点につきましては、税務の専門家にご相談ください。」

こちらはどのように対応すればよいのでしょうか。

まずこちらの文章を見てください。

「お客様は現在、 シンガポール法人であるGoogle Asia Pacific Pte Ltd. から広告掲載サービスを購入されていますが、この取引は事業者向け電気通信利用役務の提供とみなされるため、 Google が AdWords 料金に日本の消費税を付加して請求することはございません。」

現行制度では、消費税については、サービスの提供をする会社が海外にある場合は、当該サービスに対しては消費税の対象外となっています。したがって、広告掲載サービスを提供しているGoogleの法人がシンガポール法人であるため、日本の広告出稿会社は消費税を負担する必要は無いのが現状です。

次が、2015年10月1日以降に適用される改正消費税法の説明です。

「ただし 2015 年 10 月 1 日以降は、改正消費税法(2015 年)に従って、国外事業者により提供された事業者向け電気通信利用役務に対する消費税については、リバースチャージ方式の対象となるため、お客様の責任で申告、納付していただく必要がございます。」

こちらですが、2015年10月1日以降は「電気通信利用役務(=インターネットを介して提供されるサービス)」に関しては、サービスの提供を受ける会社が日本にある場合は、消費税の課税対象になることになっています。

つまり、アドワーズはインターネットを介して広告を掲載するサービスのため、電気通信利用役務に該当し、これまでは、サービスの提供を行う側(Google)が海外にあるので、課税対象外だったのですが、これからは、サービスの提供を受ける側(広告出稿社)が日本にあるので、課税対象になるという意味です。

これは、同じリスティング広告でもYahoo!には消費税が課税されて、Googleには課税されないという状態を、競争上、公平・中立にするための改正です。

また、アドワーズは、「事業者向け」電気通信利用役務に該当するため、リバースチャージ方式の対象となっています。リバースチャージ方式というのは、消費税はサービスの提供を行う会社が納税することになっていますが、海外の会社の納税について補足する事は困難であるため、サービスを提供を受ける(=アドワーズのリスティング広告を出稿する)日本の会社が代わりに課税を行う方法です。

「したがって、日本でAdWordsをご利用のお客様はご自身の責任で AdWords サービスに対する消費税を申告、納付していただく必要がございます。」

では、100万円のリスティング広告をGoogleへ支払った場合、Googleへは消費税は支払わないので、どのように対応したら良いのでしょうか。

こちらは源泉所得税の徴収と同じ様に考えるとわかりやすいと思います。つまり、100万円の広告に対する消費税8万円をGoogleから預かったと考え、サービスの提供を受ける会社が8万円の消費税を支払います。そして、同時に仕入税額控除の対象になります。

ただし、リバースチャージ方式については、当分の間、1.原則課税で課税売上割合が95%以上の事業者、2.簡易課税の適用される事業者、については免除とされます。これは先ほどの例でいくと、8万円の消費税を預かる一方で、仕入税額控除の対象になる消費税が8万円あるので、結局、納税額が生じないためと考えられます。

「消費税の支払義務に関するご不明点につきましては、税務の専門家にご相談ください。」

アドワーズ以外にも、インターネットを介して、海外からサービス提供を受けている場合には、どれが「事業者向け電気通信利用役務」に該当するのか、あるいは、どのような取扱になるかご不明の場合は、顧問税理士にご確認してください。

(参考情報)
国税庁 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について

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