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2024.11.12(火)

スタートアップの税理士選び|バックグラウンドで選ぶ8つの視点を公認会計士が解説

スタートアップの税理士選び|バックグラウンドで選ぶ8つの視点を公認会計士が解説

スタートアップの税理士選び|バックグラウンドで選ぶ8つの視点

顧問税理士を選ぶとき、見落としがちな「バックグラウンド」という視点。8つのキャリア別の特徴と、フェーズ別のおすすめの組み合わせを公認会計士が解説します。

起業したてのスタートアップやベンチャー企業が顧問税理士を探すとき、どのようなポイントで選ぶといいのでしょうか。

報酬はリーズナブルな方がいいでしょうし、場所も会社から近い方が何かといいですよね?同業種の経験があるほうがいいですか?相性も重要ですよね。

あと、忘れがちなのがもう一つあります。それは、税理士のバックグラウンド。税理士のこれまでの職歴を知り、自分が必要とするアドバイスを得られるかどうか見極めることも大切だと思います。

これが意外と難しいです。私も起業したとき、先輩に顧問税理士をお願いして、結果的にとても良かったのですが、当時は税理士の違いなんてまったく分かっていませんでした。資格があると税務の事なら何でも得意だと思ってしまいがち。

初めて語学学校を選ぶとき、どの英語の先生がいいのかわかりにくいのと似てます。みんな英語ペラペラだし、プロフェッショナルって言ってるし、どれも一定レベル以上かと思ってしまいがちではありませんか?東京には税理士が2万人以上登録されているし、ネットを見ても違いがなかなかわからないのではないでしょうか。

この記事でわかること|税理士の8つのバックグラウンド
1税務(税理士事務所/税理士法人)
2監査法人
3コーポレートファイナンス(VC/投資銀行)
4銀行
5事業会社(経理部)
6事業会社(事業部門)
7起業家/ビジネスオーナー
8国税OB

税理士のバックグラウンド・プロフィール

税理士のバックグラウンドには、主に8つ(もしくはその組み合わせ)あります。

1 税務(税理士事務所 / 税理士法人)
個人の税理士事務所では中小企業のクライアントが多いので、勤務していれば法人税や消費税の実務をマスターし、一般的な節税方法についてもアドバイスできるようになります。ただし、会社が大きくなって、上場準備や海外進出となると経験が無い場合は対応しきれず、物足りなさを感じる事があると思います。一方で、Big4と呼ばれる大手税理士法人もしくは出身者は、大企業のクライアントが多いので、国際税務や組織再編税制といった大企業で必要となる専門的知識を有していたり、英語に堪能な方もいらっしゃいます。スタートアップが成長フェーズに入り、上場準備や海外展開を視野に入れ始めたとき、Big4出身の税理士はその経験から具体的なロードマップを示してくれることがあります。顧問契約の早い段階から、将来のフェーズを見据えた税理士を選んでおくと、後々の乗り換えコストを抑えられます。
中小企業の税務対応に◎ Big4出身は国際税務・英語対応も可
2 監査法人
公認会計士は税理士登録することができるので、独立すると税理士業務を行うことが多いです。名刺に公認会計士・税理士と記載されているのですぐわかるでしょう。監査法人での勤務経験だけだと、税務の実務に詳しくなることはありませんので要注意。ただし、監査法人からグループの税理士法人に移って実務経験を積んでいる方は、会計にも税務にも詳しいです。
会計・財務の正確性に強み 税務実務は経歴を要確認
3 コーポレートファイナンス(VC / 投資銀行)
VCで投資業務を行っていたり、証券会社の公開引受業務、M&Aアドバイザリー業務に従事した経験を有している税理士はVCからの資金調達、資本政策、株式市場に対して理解があります。将来的に上場を目指したり、M&Aの実行を考えているスタートアップは重宝すると思います。中には投資銀行ではないのですが、東証審査部出身という税理士もいらっしゃって上場実務にお詳しいです。スタートアップが初めての資金調達を検討するタイミングで、このバックグラウンドを持つ税理士に相談しておくと、資本政策の設計ミスを未然に防げることがあります。「税理士に資本政策の相談をするイメージがなかった」という創業者も多いですが、投資銀行出身の税理士にとってはまさに得意領域です。
IPO・上場準備に強み 資本政策・資金調達アドバイスが可能 M&A経験あり
4 銀行
融資担当の経験者ですと、銀行の審査手続きを理解しているため、融資の際の事業計画へのアドバイスが親身に受けられます。借入を行う製造業、飲食店にお勧めです。
融資・借入相談に強み 製造業・飲食業に特におすすめ
5 事業会社(経理部)
事業会社の経理部で働いていた経験の有る方は、会社の他部署とのやり取りをしているので、ビジネスへの理解度が高く、月次決算を自ら行っていたので、会社の立場になって物事を考えることができます。また、税務調査の立会経験がある方、銀行との借入交渉経験のある方もいます。同じ業界に勤めていた税理士であれば、心強いのではないでしょうか。
ビジネス理解度が高い 月次決算・経営管理に精通
6 事業会社(事業部門)
事業会社の営業や企画系でビジネスマンとして働いた経験のある方はビジネスマインドが高い方が多く、退職後に会計事務所で働いて税務・会計の基礎を十分身に付けている方ですと、経営者の良きビジネスパートナーになりえると思います。
ビジネス目線のアドバイスが得られる 経営者の伴走パートナーとして◎
7 起業家 / ビジネスオーナー
自分でリスクを取って起業している税理士は、起業家の気持ちが一番わかるパートナーだと思います。ただし、自分の事業が忙しいので、税理士本人がアドバイスできる会社の数は限られることと、このようなバックグラウンドの税理士の数が少なくネットでも探しにくいので、見つけるのに苦労すると思います。「税理士に経営の悩みを話してもピンとこない」という経験をした創業者は多いですが、自ら起業している税理士はそのギャップが少ないです。数が少ない分、紹介やコミュニティ経由で見つかるケースが多いので、スタートアップ系のイベントや税理士紹介サービスを活用してみるとよいでしょう。
起業家目線の共感・アドバイスが得られる 担当件数に制限あり・希少な存在
8 国税OB
税務調査を実施されていた方々なので、安心して税務調査を任せられます。ただし、担当されていた税目以外は経験が少ない場合が有るので事前に確認が必要だと思います。
税務調査対応に強み 担当税目を事前に確認

ベストな税理士を選択しましょう

起業してしばらく経ってから、顧問税理士に対して物足りなさを抱く経営者は、はじめに税理士のバックグラウンドを理解しておらず、自社に合わない税理士を選んでいるケースが多いです。

あなたのビジネスの特性と将来の展望に合わせて、ベストな顧問税理士を選んでください。

スタートアップのフェーズ別|おすすめバックグラウンドの組み合わせ

税理士のバックグラウンドは、会社のフェーズや目的によって「どれが最適か」が変わります。以下の早見表を参考に、自社の状況に合ったバックグラウンドを持つ税理士を探してみてください。

スタートアップの状況・フェーズ おすすめのバックグラウンド
創業期・はじめての顧問税理士を探している 1税務(税理士事務所)+ 7起業家経験
日々の記帳・税務申告をしっかり対応しながら、経営の悩みも話せる税理士が理想
VCからの資金調達・エクイティファイナンスを検討中 3コーポレートファイナンス(VC/投資銀行)
資本政策・株主構成・バリュエーションの設計は早いほど有利。創業時から相談できる体制を作りたい
銀行融資・日本政策金融公庫からの借入を検討中 4銀行出身
審査の視点を知っている税理士は、事業計画書の作り方から事前対策までアドバイスできる
IPO・上場準備を視野に入れ始めた 1Big4出身(税理士法人)+ 3コーポレートファイナンス
内部統制・監査対応・エクイティストーリーまで見据えた体制が必要。早めの相談が重要
海外展開・外資系企業との取引がある 1Big4出身(国際税務・英語対応)
移転価格・源泉徴収・英文レポートなど、国際税務の経験が不可欠
M&Aによる買収・売却・合併を検討中 3コーポレートファイナンス(M&Aアドバイザリー経験)
デューデリジェンス・組織再編税制・バリュエーションの知識が必要
税務調査が入りそう・税務リスクが心配 8国税OB
税務署の審査基準や調査の進め方を熟知。担当税目を事前に確認した上で依頼を

※ 上記はあくまで目安です。複数のバックグラウンドを持つ税理士も多く、事務所全体のチーム体制で対応しているケースもあります。

📎 関連記事:会社設立時から上場(IPO)を目指す起業家向けに、創業期の税理士選びで押さえるべき6つのポイントを解説した「後悔しない「税理士選び」の基準|会社設立時から上場を狙うなら」も合わせてご覧ください。

顧問税理士の選び方、まずはご相談ください

神宮前あおば税理士法人は、公認会計士・税理士・投資銀行・起業と複数のバックグラウンドを持つメンバーで構成されています。スタートアップの創業期から上場準備フェーズまで、お客様のフェーズに合わせた税務・会計サービスをご提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
原田 潤(Jun Harada)
公認会計士・税理士 / あおば国際会計事務所 代表
公認会計士・税理士 野村證券 投資銀行部門 出身 IPO・M&Aアドバイザリー 上場企業 社外取締役

監査法人にてIPO支援、野村證券投資銀行部門でM&Aアドバイザリー業務に従事。その後、IT系上場会社で経営企画・新規事業開発・M&A業務・事業再生を担当。撮影サービスでの起業を経て、2012年にあおば国際会計事務所を開設、2014年にあおばアドバイザーズ株式会社を設立、2018年に神宮前あおば税理士法人を共同設立。IT企業・投資銀行・監査法人・起業で培ったノウハウを基に、ファイナンスと会計・税務サービスをワンストップで提供している。横浜国立大学経済学部卒。SREホールディングス 社外取締役。

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